コラム

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先輩ママの出産体験談。無痛分娩・和痛分娩とは? 出産費用はどのくらい?

NIPT

妊娠がわかると嬉しい反面、「妊娠・出産にはどのくらいのお金が必要?」「陣痛の痛みに耐えられるか心配」といった疑問や不安を持つことも多いでしょう。今回は、出産を経験した先輩ママにインタビュー。出産にかかった費用や無痛(和痛)分娩についてお話を伺いました。
納得のいくお産にするためには、産院や出産方法を決める前に、どんなお産にしたいのかをイメージしておくことが大切。出産に対する不安解消にも役立ちます。出産の計画書「バースプラン」についても本記事で紹介しているので、この機会にぜひ考えてみてください。

 

お話を伺った方々
水野文媛(みずの もえ)さん
ナガワ薬品株式会社 統括本部長
子ども:7歳女の子、0歳女の子
28歳で1人目、35歳で2人目を妊娠
木谷七海(きたに ななみ)さん
ナガワ薬品株式会社 新規事業部長
子ども:4歳男の子
29歳のときに妊娠
横尾さん
カウンセラー(元産婦人科看護師)
大学病院の産婦人科で12年、産科クリニックで4年(育児支援を含む母乳外来)勤め、母乳外来を中心に赤ちゃんの育児・全般の相談に乗る。「妊婦さん、お母さんに成り立ての人のかけこみ寺」として多くの女性から指示を集める。

 

 

1.妊娠出産にかかった費用、助成金の活用

―健診や入院費用など、妊娠~出産にかけてお金がかかります。負担を軽減させるために、助成金などを活用されたご経験はありますか?
水野さん 健診費用の助成(※1)を使いました。私の住んでいる地域の自治体では、健診のときに利用できる補助券がもらえました。ですが毎回の健診はそれ以上にかかっていて、1回あたり4,000~5,000円で15、6回あったので、別の検査費用も含めるとトータルで10万円ほどは自費で支払いましたね。

 

―健診だけでもかなりの負担になりますね。入院や分娩などの費用が助成される「出産育児一時金(※2)」は利用されましたか?
水野さん 1人目の出産時も2人目の際も、出産育児一時金(※2)で42万円(現在は50万円)をいただきました。1人目は大学病院などではなくクリニックでの出産で、立ち会い出産のために特別室を使ったので、プラスで80万円ほどかかりました。
木谷さん 私の場合は国から42万円の助成金をいただきました。ただ、私も個室と和痛分娩を選択したので、プラスで38万円ほどかかりました。

 

―お二人とも個室を選択されたとのことですが、何か理由はありますか?
木谷さん 家族がみんな見に来たいと言っていたので、自由度の高い個室にしました。
水野さん 母と旦那さんが泊まりにくるときに、スペースがあったほうがいいと思っていました。ただ、1人目のときに立ち会い出産で特別室を使って、そこまでの広さは自分には必要ないと気づきましたね。2人目も同じクリニックで同じコースを選びましたが、普通の個室にしました。それでもプラスで30~40万円はかかりました。

 

―お話を伺っていると、助成金があるとはいえかなり費用がかかりますね。
水野さん そうですね、助成金では賄えなかったです。思っている以上にお金がかかることが分かりました。ただ、産院の種類や地域によってかかる費用はそれぞれ異なるので、里帰り出産をする方は逆にお金が余る可能性もありますね。

 

妊娠・出産するママがもらえるお金
妊娠・出産でかかる主な医療費には、妊婦健診費用、分娩や入院の費用などがあります。妊娠や出産は病気ではないため保険がきかず、基本的には自費となりますが、自治体や健康保険からもらえるお金があります。
■妊婦健診費の助成 ※1
妊婦さんの経済的負担を減らすため、公費で14回分以上の妊婦健診費の助成が行われています。自治体によって差はありますが、令和3年度の助成額は全国平均で107,792円でした。
【対象】
妊娠が確定した人
【もらえる金額】
妊婦健診14回分の費用(自治体によっては無制限の場合も)
※毎回の健診が無料になるわけではなく、3,000~5,000円ほど(検査項目が多い場合は1万円ほど)の自己負担が必要になることもあります。
【申請時期】
妊娠確定後、医師や助産師の指示が出たら
【受け取り時期】
妊娠届を役所の担当窓口に提出後、母子健康手帳などと一緒に受診票がもらえる
【申請・問い合わせ先】
住んでいる市区町村の役所の担当窓口。保健所などが窓口の場合も

 

■出産育児一時金 ※2
加入している健康保険から、入院・分娩費として50万円が支払われます(令和5年4月より、42万円から50万円に引き上げられました)。入院・分娩費は平均で45~50万円ほどといわれていますが、病院や診療所など出産する施設によって差があり、無痛(和痛)分娩などの出産方法や、個室を選択した場合は追加で費用がかかります。
【対象】
健康保険の加入者、またはその被扶養者で出産したママ(妊娠4か月以降の流産・死産も対象です)
【もらえる金額】
子ども1人につき基本50万円
※双子の場合は100万円
※妊娠週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度の対象とならない出産の場合は、支給額が48.8万円となります。
【申請時期】
直接支払制度の場合(産院がママに代わって申請を行い、直接産院にお金が支払われる)⇒妊娠中
受取代理制度の場合(ママが事前申請を行う)⇒妊娠中
産後申請方式の場合(退院後に申請してお金を振り込んでもらう)⇒産後
【受け取り時期】
退院時、または産後
【申請・問い合わせ先】
直接支払制度の場合⇒産院
受取代理制度・産後申請方式の場合⇒自分が加入している健康保険の窓口(国民健康保険の人は役所の担当窓口)

 

 

2.無痛分娩・和痛分娩とは?

―先ほど木谷さんから「和痛分娩」を活用されたと聞きましたが、それはどういったものでしょうか?
横尾さん 痛みを和らげる出産方法で、ある程度陣痛はあるけど、マックスまでの痛みにはならない、といったものです。横になった状態で腰から麻酔をかける方法(硬膜外麻酔)が主流となっています。

 

―痛みや、陣痛の感覚はありましたか?
木谷さん 酔っぱらっているみたいな感覚で、子宮口が3~10cmの間は痛みを感じませんでした。
水野さん 私は1人目、2人目どちらも無痛分娩をしましたが、1人目のときはすごく痛くて(笑)。2人目のときは腕利きのお医者さんがやってくださったので、まったく痛くなかったです。陣痛の痛みは感じませんでしたが、お腹が張ってきた感覚はあったので、これが陣痛なんだなと思いました。

 

―先生の腕にもかかっているんですね。
水野さん お医者さんの腕は本当に大切ですね。
横尾さん そうですね、先生の腕にかかっている部分もあります。人それぞれ効きも違って、毎回成功するとも限らないですし、絶対に安全というわけでもありません。これは無痛(和痛)分娩に限ったことではなく、すべての選択にメリットとデメリットがあるので、それをきちんと自分で理解したうえで選択することが大事です。

 

無痛分娩・和痛分娩とは? 
無痛分娩・和痛分娩は、麻酔を使用して陣痛の痛みを和らげる出産方法で、その違いにはっきりとした定義はありません。麻酔の利き方には個人差がありますが、痛みへの不安が軽減されるので、心身ともにリラックスした状態でお産に臨むことができます。お産での体力消耗が少ないといったメリットもあります。現在主流となっているのは「硬膜外麻酔」です。
[注意]
・麻酔科医が常駐でないと無痛分娩できないことも
・分娩費用は高額になる
・微弱陣痛になりやすい
・管理分娩の場合、行動が制限される

 

 

 

3.理想のお産に役立つバースプラン

バースプランとは、自分はどんなお産がしたいのか、お産に関する希望を書き出した計画書です。病院や出産方法選びにも関わってくるので、なるべく具体的に理想を書き出してみましょう。
■出産方法
・和痛(無痛)分娩をしたい
・できるだけ経腟分娩にこだわりたい
・女医さんを希望する など
■立ち会い出産
・パパに立ち会ってほしい
・パパ以外の家族の立ち合いも可能なところにしたい など
■陣痛中
・できるだけ痛みを和らげたい
・好きな香りのアロマ、好きな音楽でリラックスしたい
・陣痛促進剤は極力使いたくない など
■分娩中
・会陰切開は避けたい
・研修医などの立ち合いは控えてほしい
・写真やビデオを撮りたい など
■産まれてから
・初乳をあげたい
・胎盤とへその緒を見てみたい
・赤ちゃんの産声を録音したい
・家族の記念写真がほしい など
■入院中
・個室(もしくは大部屋)を希望する
・母子同室でお世話をしたい
・パパや家族の宿泊が可能 など

 

お産にはさまざまな選択肢があります。
なるべく色々なプランを知って、自分がどういう出産をしたいかイメージすることが重要です。施設によりできること・できないことがありますので、理想とするバースプランを考えておくことで、産院選びもスムーズに進みます。
耳に入りやすいのはいい情報ばかりで、悪い情報はあまり表に出ないもの。都合のいい情報だけで自分の考えを構築してしまうと、実態との差を受け入れられなくなることもあります。判断するのは自分で、お産は一人ひとり違うもの。情報をそのまま受け入れるのではなく、「そういう人もいる」と客観視することが大切です。
そして、お産はあくまでも通過点で、そのあとの育児のほうが大変だということを皆さんには覚えておいていただきたいです。/カウンセラー(元産婦人科看護師)・横尾さん

 

 

 

4.まとめ

産院や出産方法にはさまざまな種類があり、その選択によって支払うお金や想定されるリスクが変わってきます。理想の出産をイメージしていても、すべてが思いどおりにいくとは限りません。無痛分娩の麻酔が思うように効かなかったり、自然分娩を希望していても、赤ちゃんの様子によっては緊急帝王切開になることもありえます。
思い通りにいかなくても、「赤ちゃんにとって何がベストか」という軸を常に持つことが大切です。自分にとって満足のいくお産になるよう、自分に合ったプランを考えていきましょう。

 

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[参考]
・「妊婦健康診査の公費負担の状況に係る調査結果について(厚生労働省)
『最新! 初めての妊娠・出産新百科』 (ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)(ベネッセコーポレーション)
『【最新版】ママとパパのはじめての妊娠・出産事典』(朝日新聞出版)

 

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